オルタエゴの話をします
衝動あるところに自我をあらしめよ―フロイト
どうも。およそ3ヶ月ぶり(もちろんこの段階では記事が完成する保証がない)ですね。お久しぶりです、僕です。
前回の文章は書いた際の記憶が残っていないので読めなくても文句は受け付けません。ですます調だったかどうかすら覚えてません。たぶん人が読むものじゃないと思います。まぁ、そんなことはどうでもいいんです。
⚠ネタバレ注意⚠(しばらく先ではある)
このゲームではあなたは旅人として、暗い、まっすぐな道を進みます。そうするとフキダシが流れてくるので、それをタップすると「EGO」が貯まります。それを使って本を読むと、今度は「EGO」が自動で貯まるようになります。………クッキークリッカーだ!
基本システムはそんな感じですが、クッキークリッカーとの最大の違いはやはりちゃんとしたストーリーがあることですね。
「EGO」が貯まると、ある少女の部屋に行くことができます。少女の名は「エス」。この少女との対話を通じてストーリーが展開します。選択が変われば、結末も変わる……。ちなみに、ストーリーと関係ないタイミングでつつくと罵ってくれます。
必須というわけでは全くないのですが、このゲームを楽しむために重要な知識が少しだけあります。それは精神分析学者・フロイトの理論です。彼は、人間の精神は「エス」「スーパーエゴ」「エゴ」の3つから成り立っていると考えました。それぞれどういうことなのかだけ知っていれば十分です。
エス:本能的な衝動。多大なエネルギーを秘めているが、破滅に向かうものもある。
スーパーエゴ:要するに良心。倫理性や理想を求め、エスとはよく対立する。
エゴ:エスとスーパーエゴをうまく調整して現実に適応しようとする。
まぁこんなもんだと思います。もっと知りたい人はちゃんと調べようね。
だんだんネタバレが始まっていきます。少女の「エス」はこのエスです。公式で発表はされてませんが、ほぼ確実と言っていいと思われます。それではスーパーエゴにあたる人は出てくるかと言うと、出てきます。それがクソ壁男……じゃなかった、エゴ王。エゴ王は自称なので壁男でいいと思います。当然エスとは対立してます。この2人(壁男は人?)の間にプレイヤーが立ってゲームが進行します。
ゲームの説明はこれくらいにして、そろそろ僕がしたい話をしますね。スタッフロールを見た前提で進みます。
先の通りエスちゃんはそれはもう衝動の権化みたいな感じで、彼女を放っておくと自ら破滅してしまうんですね。だからと言って彼女の持つ衝動を抑制し続け、否定し続けると彼女は存在できない。衝動に身を任せれば破滅し、自己否定を続ければなくなってしまう点で、やはり彼女は「衝動」ではなく「人間」なのです。
もちろん、うまく選択していけば彼女を救うこともできます。それで、そのルートの最後の節(でいいのか?)のタイトルは「エスに捧ぐ」。他のルートは「衝動に捧ぐ」と「規範に捧ぐ」なんですね。つまり、このルートの最後では彼女はもう衝動を象徴するものではなくて、「自分」のかけらを掴み取った一人の少女なんですよ。これがもうエモい(急激な語彙力低下)。
で、彼女を救った後は雑談できるんですけど、自分を見つけた少女は今度は他者を意識し始めるんですね……何回か雑談してるとわかるんですけど、完全に好かれてるんですよ。かけがえのない他者だよ。ていうかこれもう伴侶でしょ。彼女を救うために何回もタイムリープしたあとだから、この時間がそれはもう幸せで仕方ないんですよ。本当に、美少女に全面的に信頼されるってすごいよ。このためだけにやる価値すらあるかもしれないよ。僕はちゃんと自己と向き合うべきだと思うけど。あ、伴侶モードになった後でもつつくとちゃんと罵ってくれるので、その手の人も心配は無用。
そんなわけで、おすすめです。エンディング後の話をしたあとにおすすめですって意味わかんねぇな。あ、アレだ。大好きです。
ところで、ドグラ・マグラって本があってな……。これ、3周した程度じゃ到底読めないんだわ……。
ゲームバランスの話とか性格診断の話は全然できませんでした。まぁ前者は僕が言えることはないと思いますが。